2010年聴いたもの

今年導入して、大方は消えていってしまった音楽のひとつのリスト。つまり気に入った音楽など並べていきます。消えていってしまったというのは、大半はツタヤで借りて iPod nano (旧型, 2GB) に入れて聴いてしばらくしたら消してるから、ですね。どこまで今年なのかわからん!あー!と思っていたら、さいわいなことにレシートを保存していたので、レンタルないし購入の分はきっちり記録されてました。だいたい上から聴いた順で。今日は例外的にばしばし貼るよ。書籍のぶんは……どうしましょうかねえ。


Oranges & Lemons
Oranges & Lemons / XTC (1989)
やはりなによりメロディーが絶妙に良い。ポップスとしての自然な流れから敢えてズレることによって、という面はもちろんあるんだろうけども、しかしそれを差し引いてもなお、の完成度を保っている。


Neu (Reis)
NEU! / NEU! (1972)
これも空気感が好きです。演奏間の SE みたいなものも含めて。ドイツっぽい。ある人いわく、ドイツは田舎なんだそうです。なのにこんなに先進的。


AXS SINGLE TRACKS
AXS SINGLE TRACKS / access (1995)
改めて掲げてみると、いやはやすごいジャケットだ。浅倉大介のフレーズのセンスが好き。90年代ということから切り離しても、エヴァーグリーンな雰囲気をもってると思う。


Hard Normal Daddy
Hard Normal Daddy / Squarepusher (1997)
すごく精巧に作られてて、乱雑に見えるけど聴き心地はクール。クールって言うと表現があまり格好良くないけど。ベースが生演奏なんですね。これでジャズ聴いてみようかと思ったけどまだ手が出せてない。


Q: Are We Not Men? We Are Devo
Q. Are We Not Men? A. We Are DEVO! / DEVO (1978)
僕の中の「ニューウェーブ」の定義はここにある。「ずらし」によって生じる異世界感。ポリシックスは 8 年かけてここに辿り着いたんでしょうね(『KARATE HOUSE』)。


90(デラックス・エディション)(紙ジャケット仕様)
90 / 808 State (1989)
すごく好きだ。アンニュイなかんじのテクノ。


友だちを殺してまで。
友だちを殺してまで。 / 神聖かまってちゃん (2010)
インプレッションは、前にここに書いた。このバンドがどういう文脈で注目されてるのか、僕は詳しく知りませんが、サウンドメイキングがとても巧いということは言える。


camouflage
camouflage / Qomolangma Tomato (2009)
いままで取り上げる機会がなかったけども、今年の個人的テーマ曲のひとつは当アルバム一曲目の「リレイション」なのです。もどかしさ、とか、無力さ、といったことをよく表現していた作品だと思う。自分の言葉で歌おうとする意思が感じられて好ましい。


スパルタローカルズ
SPARTA LOCALS / SPARTRA LOCALS (2006)
こちらも無力さとかやるせなさといった心情の表現がぴったりきた作品。ボーカル安部コウセイはとてもいい歌手だ。ラスト作品『水のようだ』を早く買わないといけないね、と思いつつここまで来てしまった。


Frequencies
Frequencies / LFO (1991)
音のひとつひとつまでよくよく作りこまれた作品。理想的だ。でも一番好きなのはジャケット。


グッド、バイ。
グッド・バイ。 / Cali≠Gari (2003)
とても出来がいいのにあまり広く聴かれていない(ように見える)のは、やっぱりヴィジュアル系だからなのか。でもこのベストアルバムはむしろニューウェーブっぽいのが多いぞ。歌詞とか、特有のノリには最初拒否感あったけど、結果いくつかの曲はだいぶリピートした。


Hot Rats
Hot Rats / Frank Zappa (1969)
「Peaches En Regalia」は今年のテーマ曲のひとつ。一度、「この曲には人生のすべてが入っている」と直感してみたが、どうだろう。あながちハズレでもないかと。通俗的な価値の写しになることを免れつつ、でも生にはきっちり立脚している。


De9: Closer to the Edit
DE9: Closer to the Edit / Richie Hawtin (2001)
とても気持ちのいいテクノ。ゆれる。ノンストップだけど疲れずに聞ける。


なぞなぞ
なぞなぞ / 山本精一 (2003)
あまり「狂ってる」のを求めてるとアレですが。ゆったりとした構えで聞いてると、時折ハッとさせられるフレーズがあったりして。でもシンプルな弾き語りなので通常はあくまで“歌”がメイン(ひらがなで書けってか?)。聴き込めそう。山本精一の歌モノが今年また出たようですね(『プレイグラウンド』)。それも聴きたいなあ。


Ovalprocess
Ovalprocess / Oval (2000)
ノイズ的な音なのに、それが気持ちいい。どういう話なのかわかりませんが。その音が annoying かどうかは文脈次第、ってことですかね。


自分だけのための展覧会みたいになってしまったが、これでよかったのだろか。選定基準は「衝撃を受けた」あたりにするのが面白いのではなかろうか、と思ったが、自分の志向性があまりそういうものに対してないので、これでいいか。ていうか衝撃を受けるってのがどういうものなのか未だにようわからん。
気に入ったと言ったけども、実際のとこかなりイメージで選んでることを白状せねばならない。つまり「自分はこのようなものを好むだろう/このようなものを好む自分が好ましい」という意識の介在している場所で選んでいるということ。そのぶん、この作品が偉いとか偉くないといった価値観からは抜けられてると思うけども、悪く言えば選者の自意識に密着させたかたちで作られた恣意的なリストでもある。こう作ってみて、このリストが何の役目を果たすのか、と、やはり思われてきたけど、まあ一年にいっかいくらいは、ということで。