アニメ見てるよ

引き続きエヴァンゲリオンを見ている。日に DVD 一本、 4 話ずつ。このペースでいくと授業始まるまでに劇場版まで見終わる。と書いて Wikipedia 見たら劇場版って最近出たやつ抜かしても 3 つあるんですか? まあいいや、それはとびとびで見てもかまわないし。で、こう継続的にやってると、てかビデオ視聴に費やしてる時間がおそらくあきらかに読書に費やしてる時間より長い疑惑が。あり。でもまあ仕方ないといえば仕方ないのである。次のスライドをご覧になっていただきたい。

ざっくりとしたスケッチとして、たとえばこんなふうに思い描いてみる。

  • 具象度――われわれの生きている世界との近さ

映画>アニメ>漫画>小説>詩>音楽

  • 入りやすさ

映画>アニメ>漫画> ……

かようにアニメは易行道、といいますか受け手にやさしいメディアでありまして、受け手の興味の深さ如何、動機づけられている程度、などなどに影響される度合いが小さく、つまり受動的態度での鑑賞を許すメディアです。変な話ぼけっとしててもアニメの筋は追える(と書いたけど俺はあまり追えてないかもしれない……)。それに対して読書を考えてごらんなさい。すこしでも気を抜けば、前の段落に何が書いてあったかも忘れてしまいます。僕が迂闊なのでしょうか? 言い忘れたけどこの“親切さ”はもちろんメディアに絶対的に依拠するわけではなく、ものによるよ。エンターテイニングな小説だったら「引き込まれてどんどん読み進む」ようなこともあるんだろうし。僕が読んでるのはだいたい哲学の専門よりの本だし。トピックに対する読み手の知識も理解度に大きくかかわるし……。
というわけでひとしきり言い訳を垂れ流しましたが卒論のテーマ決定のめどが立ちません。やだな、無難にニーチェとかにしとけばいいんだろうか(無難に?)。「このへんかな」と選んで読んでみてるのがなんかこうパッとしないというか、いわゆる古典というほどの古典ではないので――あと百年二百年したら名前が忘れ去られそうな人なので――示唆に満ちてるというほど満ちてはいないし、自分の問題意識にぴったりくるかといえば今読んでる箇所はそうでもないし、――いやもうすこし進んだら面白くなると期待して読んでるんだけど、――そしたら早いとこ進んじゃったほうがいいんだけど、――古典ではない、かといって最新の hot な現在進行形で争われてるような話にコミットしてるわけでもないし、……みたいな状況で行き詰まり雰囲気です。それ、ああた、考え方根本から変える必要あるんじゃないの、とアドバイスされるのが自然ですよね。
困ったのう。読書するか。


てか、もともと書こうとしたのは継続的にエヴァンゲリオンに触れてるので「残酷な天使のテーゼ」が頭で流れるようになったとか「あんたバカぁ?」と気に行ったセリフを口にしたくなるとかそういう“思考が作品に染まっていく”ような体験を実にひさびさにしつつあるのだってことだったのだけども。確かに気持ちいいもんですな。気持ちいいだろうと思いつつも避けていたんだけどね、こう言ってみれば政治的なスタンスから。国の政治じゃなくて個人として。僕はあまのじゃくなのでアニメ見てマンガ読んで育つみたいのはやだったんですよ。だからニコニコ動画も登録してこなかったし。そんな態度をとり続けてきて、でも近頃はあるていど人格も確立されてきたしそろそろいいだろうって手に取ったという面はある。