ゴールデンラッキー―完全版 (上)
榎本俊二『GOLDEN LUCKY』(完全版、1989-1991、上)(2002)。けっきょく読み終えるのに一月ほどかかったか。4コマが450頁ほど。これが中・下あわせて三巻あるんだからちょっとすごい蓄積だ。
この作品で行われていることが決定的に異質なものだとは思わないし、表現法にかんしてももっと洗練されたものがありうると思うのだが、でもこういう作品はこの世になければならん、とも思う。抜群に面白いというわけでもないし衝撃的でもないが、でもある種の人びとをこの作品が救ってしまうということは確実にある。僕の乏しい読書経験から引き出せば、円城塔Self-Reference ENGINE』に読んでる感じが似てる。
やっぱ、本のこの厚さ、重み、がなにかを物語ってる気がする。中下巻も読むつもり。