結果的には去年の回顧

諸ブログを覗くとどこもここも一年の回顧をやっておったりするわけですが、うちはやりませんでしたね。いや、ちょっとやったか(→2011.12.28)。でも当該記事において取り上げられているのはもっぱら音楽と読書のことであって、俺の身の回りになにが起こり、俺がそれに対してどういうアクションを起こし、その結果として俺のうちにどういう何が残ったのか、みたいなまとめはしていない。つまり、具体的な事実・出来事についてはあまり言及していない。
まあ第一に大したことが起こらなかった一年だったと振り返る。そもそも俺の人生において何事かが起こった記憶があまりない。うーん。いくらかはある。でももう一度問い直してみると、ほんとに「何事か」として取り上げるに値する何事かなんだろうか、という疑念が頭をもたげてきて、言うほど大したことじゃなかったんじゃないか、という印象に落ち着く。昔のことは忘れたよ。
試みに、「去年なにがあったか」というテーマで、歴史の教科書的な観点から事柄をいくつかピックアップしてみる。

  • 論理学の勉強を一定水準まで進めた(『論理学をつくる』通読)。まあなんでも中途半端に終わってしまう自分のなかでの、ひとつの達成として。
  • 部活でちょっとした役割を担った。すなわち、組織の中でまともな役割をもらったという経験として。このへんとかこのへん参照。
  • リアルの知人にここがばれた。事故。どこまでバレてるかはわからんし、そのことでスタンスを変えるつもりはないけど、でもいくらかは書く内容に影響している。
  • 数年ぶりに本格的に人を好きになった(生涯二度目)。しかしこれ自体は実在世界における進展がないので出来事として記される資格があるのかどうかちょっとわからない。参照先はアレとかアレとかアレだが、気恥ずかしいので伏せる。
  • あと、ようやくまともにバイトをはじめた。お金があるってのはいいねえ。
  • そういえばつい最近、風俗店を利用してまいりましたが予想した通り天地が引っ繰り返ったりはしませんでした。性行為の目的がもっぱら性欲の処理および性感を高めることにあるのではない周りのことはだいぶ得心いったと思う。
  • ギターはじめました。なんかはじめて趣味らしい趣味を手にした感じだが趣味というほど巧くないし知識もないのがなんとなく気が引ける。でも楽器ができるってのはいい。曲を演奏できるってのはいい。

……なんかあれもこれもと列挙してたらまあまあの数が揃ってしまった感じがする。なにかをしているように見せかけるには中身はともかく数でビビらせろ、ということなのか。ほんとは、ひとに語れるような出来事よりも、ふだんの「何事もない」日常がものを言うべきなのだと思うが。
俺の人生において起こったことは俺自身に対しても、周りの人に対しても、さほど明示的に姿をくっきりと見せてはいない事柄が圧倒的に多いのだと思う。どれもこれも、明確な発端・展開・結果を残していない。具体的なエピソードとして語れるくらいの中身をもたない。それとは別に、自分のなかで確実に変化が起こってるなという意識は、べつに年スケールで測るまでもなく、むしろ日々感じていたくらいで、去年の俺より今年の俺のほうが明らかに強くなってるだろうとは思う。
しかしながらやっぱ「大したことが起こってないなあ」という感想は避けられない。何かをしたといっても、周囲の流れに乗っかって何かをしたというのがほとんどだし。そして、周囲の流れがないとなかなか動かないのも事実。でも流れとは関係なく、自分にやりたいことというのもたまにあるので、そうした折はなんとか世界に働きかけていけるようになれば、とは思う。
で、なんで僕が一年の回顧を自発的にやらなかったかといえば、第一にそれをやりたいという気にならなかったからであり、第二にそれをやることにメリットを見出さなかったからであり、以上である。来年の抱負みたいのも立てた瞬間失敗を約束されたようなもの、という意識があるし。失敗を約束というか、はっきりと述べてしまうとそのことで十分に満足し、すっかり忘れてしまう、というような事情がある。大事なことは日々直面してるし。日々直面しないタイプの大事なことが見いだせてるわけでもないし。